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脱・属人プログラム — 学習ノート

サブエージェント入門
— 面倒な作業は「別室の助手」に

— 散らかる作業を裏でやらせて、結論だけ受け取る

Claude Codeに最初から備わっている「サブエージェント」。裏で別のAIを立ち上げて作業させ、あなたの会話には結論だけを持ち帰る仕組みです。何がうれしいのか、どう使うのか、その助手の“指示書”はどこにあるのか——非エンジニアのための入門ノート。

2026.07.26 作成 / Claude Code の標準機能を対象

この話の結論(3つだけ)
  1. サブエージェント = 裏で動く「別のチャット(別のAI)」
    散らかる作業を別室でやらせて、結論だけを本体の会話に持ち帰る
  2. だからメインの会話がきれい・速い・集中が続く
    調べ物や大量の読み込みで、あなたの会話が埋まらない
  3. 使い方は「正しいフォルダで開いて、普通に頼む」だけ
    難しい設定はいらない。大きい作業・並行したいときに効く

第1章

サブエージェントとは — 別室の助手

「サブエージェント」は、Claude Codeに最初から備わっている機能です。ひとことで言うと、面倒な作業を“別室の助手”に丸投げして、結論だけ受け取る仕組みのこと。

ふだんあなたが話しているのが「本体のAI」。そこから「これ調べておいて」と別のAIに振ると、その助手が裏で(あなたには見えない別のチャットで)作業して、要点だけを報告しに戻ってきます

たとえるならあなたは会議室(メインの会話)にいる。込み入った調べ物は、別室の助手にお願いして、結論をまとめた紙1枚だけ持ってきてもらう。会議室の机は、資料の山で埋まらずに済む。

大事なのは、この助手があなたとは別のAIで、自分専用のまっさらな記憶を持っていること。本体とは記憶を共有せず、作業が終わると結論だけ報告して、その別チャットは消えます(散らかった中身ごと片付く)。

よくある誤解❌「1人のAIが、机を移動しながら作業している」ではありません。⭕「別のAIが、別の机(別チャット)で作業して、結果だけ渡しに来る」が正解。画面が1つなので同じチャットに見えるだけで、裏では別のチャットが立ち上がっています。
あなたのチャット(見える) └─ 助手を呼ぶ → 別チャットA(見えない・調べ物) → 結論だけ返して消える └─ 助手を呼ぶ → 別チャットB(見えない・文章の校正)→ 結論だけ返して消える

図1|助手は別室(別チャット)で働き、結論だけ持ち帰る

第2章

普通のチャットとの違い — 机が散らからない

いちばんの価値は「あなたの会話(机)が散らからない」ことです。ここを普通のチャットと比べます。

普通のチャット(自分の机で全部やる)サブエージェント(別室の助手に頼む)
作業の場所調べた資料も途中経過も、全部あなたの会話に積み上がる助手が別室で散らかしながら作業する
返ってくるものやり取りの全部が画面に残る結論の紙1枚だけが返る
その結果やるほど散らかって本筋が埋もれ、AIも情報過多で集中力が落ちる・前の話を忘れるあなたの会話はきれいなまま・速い・集中が続く
「机」とはAIの記憶の広さ(容量)のこと。容量には限りがあり、散らかると遅く・高く(コスト増)・抜け漏れが増える。それを防ぐのがサブエージェント最大の value(値打ち)です。

さらに、普通のチャットは1つずつしか進められませんが、サブエージェントは複数の助手を同時に走らせられます。「Aを調べる助手」と「Bを校正する助手」を並行で動かして、終わった順に結論を受け取る——という使い方ができます。

第3章

使い方 — 正しいフォルダで開いて、普通に頼む

身構える必要はありません。やりたいことを普通に伝えるだけです。

やること言い方の例
おまかせ(AIが自動で判断)「この資料を全部読んで、要点だけまとめて」→ AIが「別室に出すべき」と判断したら自動で助手を使う
はっきり指示(優先させる合言葉)サブエージェント使って調べて/やって」と言うと、より確実に助手に振る
向き・不向きちょっとした質問や短い修正は、助手を呼ぶひと手間のぶん、普通にチャットした方が速いです。サブエージェントが効くのは大きい作業・調べ物が多い・複数を並行したいとき。「なんでも別室」ではなく、重い仕事を出すイメージです。

VS Code で「開くフォルダ」に注意

標準の助手はどのフォルダでも動くので、フォルダ次第で機能が使えなくなることはありません。ただし2点だけ気をつけます。

  1. 助手が見るのは「開いているフォルダの中身」だけ。違うフォルダで開くと、本来のファイルが見えず見当違いの作業になります。
  2. その案件専用に作った“専門の助手”は、そのフォルダを開いたときだけ呼び出せます(全体共通の助手はどこでも使える)。→ 次章
合言葉正しいフォルダで開く → あとは普通に頼む」。これだけ覚えておけば大丈夫です。

第4章

助手の“指示書”はどこにある?(.mdファイル)

「調べ物係」「台本を書く係」といった専門の助手は、どんな役割で・何をしていいかという指示書を持っています。その正体は、1枚のテキストファイル(.md)です。特別なアプリは要りません。

置き場所は2種類 — ここで「どこから呼べるか」が決まる

置き場所どこから使えるたとえ
プロジェクトの中
.claude/agents/
そのフォルダを開いたときだけ現場に置く専用マニュアル
全体共通
~/.claude/agents/
どのフォルダでも道具箱に入れて持ち歩くマニュアル

これは教材「AIの第二の脳を作る」で出てきた「コーポレート(.claude)=どこでも効く/事業部(dev)=その案件だけ」の分け方と、まったく同じ考え方です。全社で使う助手は道具箱(~/.claude)へ、その案件専用の助手はプロジェクトの中へ置きます。

【あなたのPC】 📁 C:\Users\〈名前〉\.claude\ ← AI専用の道具箱(どのフォルダでも効く) ├─ 📁 skills\ ──────── AIの道具(スキル) └─ 📁 agents\ ─────── 全体共通の助手の指示書 ← どの案件でも呼べる └─ 📄 researcher.md 📁 C:\dev\プロジェクトA\ ← その案件の作業フォルダ └─ 📁 .claude\ └─ 📁 agents\ ── この案件専用の助手 ← このフォルダを開いた時だけ呼べる └─ 📄 script-writer.md (GitHubでコードと一緒に共有できる=チーム全員が同じ助手を使える)

図2|助手の指示書の置き場所 — 道具箱(全体)か、プロジェクトの中(その案件だけ)か

指示書の中身(実物のイメージ)

ファイルの中身は、上が設定・下が指示本文という決まった形です。上の設定部分(区切り線 --- で囲む)に、名前・役割の一言説明・使ってよい道具などを書きます。

--- name: script-writer # 助手の名前 description: 動画台本を書く専門の助手。テーマを渡すと台本を作る # どんな時に呼ぶか tools: Read, Write, WebSearch # 使ってよい道具(例:読む・書く・Web検索) model: sonnet # どのモデルに担当させるか(任意) --- あなたは動画台本づくりの専門家です。 ← ここから下が“指示本文” 渡されたテーマについて、視聴者に分かりやすい 構成で台本を書きます。

図3|指示書(.md)の中身 — 上が設定、下が「あなたは〇〇の専門家です」の本文

tools(使ってよい道具)で「この助手は読むだけ・書き込み禁止」といった制限もかけられます。役割を絞った安全な助手を用意できるわけです。

自分で書かなくてOKこの.mdは、手で書く必要はありません。「〇〇を専門にやる助手を作って」とClaude Codeに頼めば、自動で用意してくれます。中身を見たい・直したいときに、上の場所を開けばいい、という理解で十分です。
同じ名前があったら(参考)全体共通とプロジェクトの両方に同じ名前の助手があると、そのフォルダに近い方(プロジェクトの中)が優先されます。案件ごとに“標準の助手を上書きした専用版”を用意できる、という仕組みです。

第5章

メリットまとめと、向き・不向き

メリットどういうこと
① 会話が散らからない調査や大量のファイル読みを“別室”でやり、結論だけ受け取る(最重要)
② 同時に動かせる(速い)普通のチャットは1つずつ。サブエージェントは複数を並行で走らせられる
③ 役割を持たせられる「調べ物係」「校正係」など専門の助手を用意でき、道具の制限もかけられる
④ メインが賢いまま余計な情報で気が散らず、本筋の判断の精度が保てる
知っておくと安心な“クセ”助手は毎回まっさらな状態から始まります。あなたと本体の会話でそれまで話した内容を、助手は自動では知りません。だから込み入った作業を頼むときは、「〇〇という前提で」と背景も一緒に渡すとうまくいきます。これは欠点というより、机を分けているからこその仕様です。

ひとことでサブエージェント=裏で立つ別チャット。散らかる作業を出して結論だけ受け取る。だから速い・きれい・集中が続く。使い方は「正しいフォルダで開いて、普通に頼む」だけ

まとめ

3行でおさらい

サブエージェント、これだけ
  1. 裏で動く「別のAI」に重い作業を出し、結論だけ受け取る仕組み
    会話が散らからず、速く、複数を並行できる
  2. 使い方は「正しいフォルダで開いて、普通に頼む」だけ
    大きい作業・調べ物・並行に効く。小さな用事は普通のチャットが速い
  3. 専門の助手の“指示書”は .md ファイル
    全体共通は ~/.claude/agents/、案件専用はプロジェクトの .claude/agents/。作成はAIに頼めばOK

この教材の元にしたカリキュラムMD(内容を直すときはこちらも直す):
setup/claude-code/サブエージェントとは.md(本体)
・(関連)配布資料/second-brain.html(.claude と dev の分け方)/配布資料/slash-commands.html(コマンド地図)
・公式ドキュメント:Claude Code Docs「Subagents」(code.claude.com/docs・2026-07 確認)で置き場所・フロントマター・呼び出し方を裏取り