脱・属人プログラム — 学習ノート
— 記憶・バックアップの整え方から、APIキーとセキュリティの守り方まで
Claude Codeは何をどこに覚えているのか。消えない置き方、Keep・Notion・Drive・GitHubの使い分け、そして .env/deny封印/パスワード金庫によるAPIキー保護まで——非エンジニアのための整理ノート。
2026.07.05 作成 / 実際の環境(Windows+Claude Code)を例に
第1章
Claude Codeの「メモリ(記憶)」は、特別な仕組みでも、AIの脳内でもありません。PCのフォルダに入った、ただの文章ファイルです。だから自分の目で開けるし、直せるし、消せます。
ファイル名の末尾につく「種類ラベル」(拡張子)です。見慣れたものと同じ仕組み:
| 拡張子 | 中身 |
|---|---|
| .docx | Wordの文書 |
| .xlsx | Excelの表 |
| .jpg | 画像 |
| .md | ただの文章ファイル(メモ帳でも開ける。「#を付けたら見出し」等の簡単な記号ルール=Markdownで書く) |
フォルダ=入れ物(箱)、ファイル=中身そのもの。ファイルの中にファイルは入れられません。記憶フォルダの中身はこうなっています:
図1|フォルダの中身 — メモの紙が並んでいるだけ
図2|そのうち1枚(MEMORY.md)の中身 — ただの箇条書き
図2の各行はただの文字です。ファイル名を「文字として」書いてあるだけで、ファイル本体は図1のとおり隣に並んでいます。
62枚のメモは全部が対等ではありません。「MEMORY.md」という名前のファイルだけは特別で、Claude Codeにはチャットを始めるたびに、この1枚を必ず最初に読むという決まりがあります。中身は図2のとおり「どのメモに何が書いてあるか」の一覧=受付案内(索引)。
AIはまずこの案内を読み、今の話題に関係するメモ(.md)だけを本棚(memoryフォルダ)から選んで開きます。残りの何十枚は、案内を見て必要になったときだけ開かれる——つまりMEMORY.mdは「どのファイルを読むべきかを教えるメモ」です。
AIは新しいチャットを始めるたびに目次(索引)だけを自動で読み、話題に関係するメモの本文だけをその都度開きます。
| いつ読む | 何を | 量の目安 |
|---|---|---|
| 毎チャット開始時 | 索引(MEMORY.md)だけ | 約70行=全体のわずか数% |
| 必要なときだけ | 関係するメモの本文 | 1〜数枚 |
この設計のおかげで、メモが増えても毎回のコスト(トークン=AIの読み書き量)はほぼ一定に保てます。ただし放っておくと劣化するので、運用ルールは3つ:
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 1テーマ=1ファイル、索引は1行厳守 | 索引に本文を書くと毎回全部読むことになる |
| 新テーマなら新ファイル、続きなら既存に追記 | 追記なら索引の行数(=毎回のコスト)が増えない |
| 索引が100行に達したら掃除点検 | 行数より「死んだメモ(解決済み・期限切れ)」の混入が害。100は上限でなく点検アラーム |
第2章
「メモリ」と「各プロジェクトフォルダの中の記録」は役割がまったく違います。
| メモリ(AIの手帳) | プロジェクト内の記録 | |
|---|---|---|
| 中身 | あなたの好み・注意されたこと・各仕事が「どこにあって今どうなってるか」の要点 | その仕事の詳細・正本(価格、手順、進捗の全部) |
| いつ読む | 毎チャット開始時(索引) | そのフォルダで作業するとき |
| 誰のため | AIが「前回までのあなた」を思い出すため | フォルダを開いた人なら誰でも |
| たとえ | 持ち歩く手帳 | 各現場に置いてある作業ファイル |
実例:テンプレ販売の場合、メモリ側には「商品化が進行中。詳細はリポジトリのPRODUCT_PLAN.mdを必ず確認」と書いてあります。つまりメモリは場所を指す付箋で、本体は現場(プロジェクトフォルダ)にある。新しいチャットで「あの件の続きやろう」と言われたAIは、まず手帳(付箋)で思い出し、現場のファイル(本体)を開いて作業する——という流れです。
※もう1つ「CLAUDE.md」という記録もあります。これはあなたが書くルール(職場に貼る就業規則のようなもの)。メモリはAIが書く記録。どちらもただの.mdです。CLAUDE.mdの置き場所は2段——全案件で効かせたい普遍ルールは`~/.claude/CLAUDE.md`(=コーポレートの社則・どこでも効く)、その案件だけのルールは各プロジェクトの`CLAUDE.md`(=現場ルール)。一部だけ共有したい時は各プロジェクトから@importで共通ファイルを読み込む。なおCLAUDE.mdが長くなったら(目安200行超)、詳細は別ファイルに出して本体には「◯◯の時は△△.mdを読む」と一言リンクだけ書くと薄く保てる(=MEMORY.mdの索引と同じ考え方・必要な時だけ読まれる)。@importは共有・重複排除用で、中身は毎回読み込まれる点だけ別物。なお@importはClaude Code専用の記法(他のAIでは効かずただの文字列)。Codex等でも同じリポを使うなら、①の"普通の文章ポインタ"の方がツール非依存で安全。
第3章
記憶フォルダは C:\dev\(作業場)の中ではなく、C:\Users\<ユーザー名>\.claude\ にあります。これは意図的な分離です。
| 場所 | 役割 | たとえ |
|---|---|---|
C:\dev\ | あなたの作業場。プロジェクト・制作物 | 仕事場の机 |
C:\Users\…\.claude\ | Claude Codeの道具箱。設定・記憶・スキル | 職人の道具箱 |
一言でいうと 「コーポレート(会社全体の共通資産・社則)と、各事業部(現場ごとの実務)を分ける」のと同じです。
| たとえ | 場所 | 中身 |
|---|---|---|
| コーポレート | ~/.claude\ | 全社共通の記憶・スキル・共通ルール(社則)。どの現場にも持っていく |
| 各事業部 | c:\dev\各プロジェクト | その案件のコード・.env・現場専用ルール。終われば片付ける |
分ける理由は3つ:
~/.claude はClaude自身の「家」で、どのフォルダから起動しても必ず最初に読む。だから"どこでも効いてほしい共通のもの"の指定席がここ。~/.claude=全案件に効く(日本語で返答・.env禁止)/各プロジェクト=その案件だけ。置き場所を変えるだけで"全体ルール"と"案件ルール"が自然に分かれる。混ぜると事故ります:「プロジェクトごと消したらAIの記憶も消えた」「制作物のリポジトリにAIの設定が紛れ込んだ」。成果物と道具は別の場所——これが原則です。
第4章
Claude Codeは「どのフォルダで起動したか」を仕事の単位とみなし、フォルダごとに別々の記憶ノートを作ります。起動フォルダのパスがそのままノートの名前になります:
エンジニアには合理的です(A社案件の記憶をB社案件に持ち込まない)。しかし個人が自分の事業で使うと、起動フォルダは日によって変わるので——「昨日教えたのに、今日は忘れてる」が起きます。忘れたのではなく、別のノートに書いてあるだけ。
C:\Users\<ユーザー名>\.claude\settings.json に1行足すだけです:
意味は「どこで起動しても、記憶はこの1か所に書け」。実際、私たちの環境でも記憶が3か所に散らばりかけたため、この設定で一本化しました。すでに散らばっている場合は、各フォルダの.mdを集約先に移せばOK(AIに頼めばやってくれます)。
第5章
「PCが壊れたら終わる」問題の解決策は、場所を変えることではなくPCの外に複製を持つこと。その置き場としてGitHub(Privateリポジトリ・無料)を使います。記憶フォルダ自体がGitの管理下にあり、「プッシュ」すればGitHubに写しが送られます。
同期(Obsidian SyncやiCloud)は「今の状態」を写すだけなので、誤削除も同期されます。GitHubは履歴が全部残るので、3年前の状態にも戻れる。だから掃除(メモの削除)を気軽にやれる——消しても戻せるからです。
ロックインとは、データがそのサービス専用の形になって離れられなくなること。数百ページ貯めた後では引っ越しが大仕事になり、値上げや仕様変更に従うしかない立場になります。ChatGPTやClaudeアプリ内蔵の「メモリ機能」も同じで、中身を持ち出せないので正本にしてはいけません。
逆にMarkdownの記憶は他のAIにもそのまま引き継げます。たとえばCodexなら設定ファイル(AGENTS.md)に「最初にこの索引を読め」と1行書くだけ。中身(資産)は持ち運べて、仕組み(自動読み込み)だけツールごとに1行設定する——これが「正本はMarkdown」の実利です。
第6章
| サービス | 役割のたとえ | AIから読み書き | 向いているもの |
|---|---|---|---|
| Google Keep | 受信箱 | ✕ 読めない(Docsにコピーすれば読める) | スマホで秒メモ |
| Notion | 書類棚 | ○ 読み書き可(ロックイン気味) | 整理された情報・DB |
| Google Drive | 資料置き場 | △ 読める・既存の編集は不可 | 議事録・PDF・完成品の資料 |
| NotebookLM | 読書室 | —(保存場所ではない) | 資料を読ませて質問・要約 |
| GitHub+Markdown | 正本の保管庫 | ◎ 読み書き・整理・履歴すべて | 育て続ける自分の知識 |
直感的な言い換え:「これは資料か、自分の脳の一部か」。資料はDrive、脳の一部はGitHubへ。今Driveで回っているもの(議事録など)は引っ越し不要です——AIはDriveも読めるので。
GitHubはテキストなら実質無制限。だから「動画やデザインもここに置けば?」と思いがちですが、大きいファイルには向きません。理由は仕組みにあります。
| GitHubが苦手 | なぜ |
|---|---|
| 大きいファイル | 1ファイル100MB超で拒否(50MBで警告)。動画1本で簡単に超える |
| 消しても軽くならない | Gitは全履歴を永久保存。テキストなら「消しても戻せる」が長所だが、動画やPSDだと削除しても履歴に残り続けてリポジトリが太る一方 |
| 閲覧・共有 | プレビュー・共有リンク・スマホ閲覧はDrive/Dropboxが圧倒的に上 |
つまりテキストの"脳"はGitHub、大物の"倉庫"はDrive。1つにまとめようとせず、役割で分けるのが正解です。
| データ | 置き場所 |
|---|---|
| メモ・ナレッジ・台本・契約書テンプレ・コード | GitHub(第二の脳) |
| 動画・録画素材・デザインデータ・大きいPDF | Google Drive(倉庫) |
100MB上限の目安:Markdownメモ=数千〜数万本/スクショPNG=30〜200枚/スライドPDF=5〜50個/音声1分=約1MB/動画は1分ほどで上限超え(文字は無限・画像OK・音声ギリギリ・動画は一発アウト)。※「1GB推奨」等は1リポジトリごとで、アカウント全体に上限はなく、リポジトリは無制限に作れる。なお公開/非公開は選べ、メモは必ずPrivate(Public=オープンソースは"世界に公開する"意図的な選択で、企業やSaaSの製品コードは大多数がPrivate)。
| 方式 | 動き | 得意・不得意 |
|---|---|---|
| NotebookLM(RAG) | 司書が「意味が近いページのコピー数枚」を持ってくる | 何万件でも速い/細切れなので文脈が切れる・計算は苦手・ソース数はプラン上限あり・ノートブック間の横断不可 |
| Claude Code方式 | 助手が本棚を自分で漁り、必要なファイルをまるごと読む | 文脈が濃い・常に最新・事前準備ゼロ/読む量だけトークンを使う |
メモ数千ファイル程度まではClaude Code方式で十分。個人の第二の脳の規模でRAGの出番はまずありません。
| 形式 | 相性 |
|---|---|
| スプレッドシート | 人間が日常的にいじる表の圧勝(計算式・グラフ・共同編集)。ただしPC上にファイルが無いのでGitHubには入らない |
| CSV | GitHubと最高の相性。ただの文字なので履歴で「どの行が変わったか」まで見え、AIが集計・分析できる |
| Excel(.xlsx) | 保存はできるが「ただの荷物」扱い(履歴の中身が見えない) |
Obsidianは「保存場所」ではなく閲覧・執筆アプリです。GitHub=倉庫(保管と履歴)、Obsidian=机(同じフォルダを快適に読み書きするメガネ)——競合せず、併用できます。AIに読み書きさせるだけなら不要。「自分の目で眺めたい・つながりを地図で見たい」と思った日に、今のフォルダを指定して入れるだけです。
PDF・パワポ・エクセル・動画は、AIが中身を読みにくく、検索にも引っかからず、リンクも付けられない——せっかくの資料が"脳の外"に取り残されます。そこで、その資料1つにつきMarkdownを1枚だけ添える。中身は「要約+タグ+元ファイルへのリンク」。これだけ。
| 得られること | なぜ |
|---|---|
| AIが"要約だけ"読めば把握できる | 重いPDFを毎回全部読ませずに済む(=入力トークンの節約にも直結) |
| 検索に引っかかる | PDF本体は出てこなくても、栞のテキストはGitHub検索でヒット |
| つながりに載る | タグ・リンクを書いたので関連資料から辿れる |
位置づけは「大物はDriveに置き、GitHubには栞(テキストの目印)だけ残す」——上の"テキストの脳=GitHub/大物=Drive"の橋渡しです。環境をいじる必要はゼロ、遡って全部やる必要もない。「AIに見つけてほしい大事な資料が出てきた時だけ」1枚添えるで十分。
土台(GitHub+Markdown+索引)だけで第二の脳は十分に成立します。以下はFOMOで積み上げないのがプロの運用——複雑さと事故リスクを足すからです。
| オプション | 何が良くなる | いつ |
|---|---|---|
| グラフ(Obsidian等) | メモ同士のつながり・迷子メモ・得意/手薄が"見える" | 探すのが面倒になってから(線は手で [[リンク]] を書いて初めて増える) |
| AI記憶(basic memory 等のMCP) | 索引すら指定せずAIが関連する過去を自動で思い出す | 後回し・上級。数千枚規模から。古い記憶を勝手に持ち出す"自己汚染"リスクあり |
今の数十〜数百メモの規模では、手入れした索引(MEMORY.md)方式の方がむしろ制御が効いて優秀。足すなら栞テクだけが"今すぐ"価値が高い(環境変更ゼロ)。
第7章
| 工程 | やり方 | ポイント |
|---|---|---|
| 入力 | 一番ラクな場所で(Keep等) | 思いついた瞬間の摩擦は、思いつき自体を殺す。3秒で書けることが正義 |
| 転記・整理 | AIの仕事 | KeepならまとめてGoogle Docsにコピー→AIがDrive経由で読んでMarkdown化→GitHubへ |
| 保存(正本) | Markdown+GitHub | 開いた形式・履歴つき・AIが読み書きできる |
頻度は流量次第。週1の定期作業は流量が増えてからで、最初は「溜まったなと思ったとき」のトリガー式で十分です。仕組みを作りすぎないこと。
掃除・転記・バックアップを「あなたが覚えておく作業」にしないのがコツ。中でもバックアップは"手でプッシュし忘れる"のが唯一にして最大の穴です。ここを自動化すれば、第二の脳は本当に放置で守られます。土台は「AIに読ませられる開いた形式で貯め続ける習慣」——道具選びより、この習慣が本体です。
やることは「メモに変更があれば自動でGitHubへ送る」だけ。これをOSの定期実行機能(Windowsはタスクスケジューラ/Macはlaunchd/Linuxはcron)に、小さなスクリプトを登録して任せます。肝はアプリを1つも開いていなくてもOSが実行すること。ノートアプリ(Obsidian等)のプラグインは"そのアプリを開いている間だけ"なので、放置には向きません。
| 設計判断 | 採用 | 理由 |
|---|---|---|
| 間隔 | 2時間ごと | 変更が無ければ何もしない=無駄なし。最悪でも2時間分しか失わない |
| 対象 | *.md だけ | 「git add .」を使わない=.envや鍵が構造的に混入しない |
| ログ | 失敗だけ記録 | 成功はGitHubのコミット履歴に残る。普段はログ空=順調の合図 |
| 気づき | 失敗時にデスクトップへ旗 | 非エンジニアが一目で異常に気づける |
定期実行には2種類あり、混同しがちです。線引きはシンプル:
| OSのスケジューラ (cron / launchd / タスクスケジューラ) | AIのcron (Claude等を定期起動) | |
|---|---|---|
| 向く仕事 | 判断が要らない決まった処理 バックアップ・同期・掃除 | 頭を使う処理 ニュース要約・議事録整理・下書き |
| コスト | 無料(スクリプトを走らせるだけ) | 毎回AI起動=トークン消費 |
| 依存 | OSが常に実行 | AIツールの起動が前提 |
だからバックアップはOSのスケジューラ、AIニュース日次ダイジェストのような頭を使う自動化はAIのcron。同じ理由でコードは手動コミット(意味ある単位で・壊れた状態を上げない)/メモはタイマー自動——この分け方は「自動対象のフォルダにメモだけを入れ、コードは入れない」だけで実現します。
※この仕組みづくり自体が、講座の最初の課題としても機能します。「作りたいものがまだ無い」人でも、全員に確実に資産が残り、以降どのメモアプリを使っていても「いつでもClaude Codeで呼び出せる状態」になるからです。
第8章
ここまでの話を、実際の環境(2026年7月時点)でそのまま見せます。左がPCの中、右がGitHub上のバックアップ先という対応です。
図3|全体対応図 — 「何がどこにあり、どこに写しがあるか」
※ memory / skills の「2hごと自動」は、C:\dev の auto-backup-secondbrain.ps1 をOSのタスクスケジューラが定期実行して実現(第7章)。失敗した時だけデスクトップに警告が出る。
.claude直下そのものは.gitではありません。バックアップされているのは中の skills\ と memory\ が"それぞれ別リポジトリ"だから。=入れ子構造です。
config-snapshot.md
├─ .credentials.json ✕ 上げてはいけない 認証トークン=生の秘密
├─ skills\ ✓ 別リポ(.git) → claude-skills-backup
└─ projects\c--dev-claude\memory\ ✓ 別リポ(.git) → claude-memory-backup図3.5|.claude直下の保存状況 — 未保存なのは実質 settings.json だけ。その"核(deny規則)"は控えで確保済み。
config-snapshot.md に残す(skillsリポに手動コミット)。丸ごと同期でも丸ごと放置でもない中間が正解。| 設計 | 理由 |
|---|---|
| devと.claudeを分ける | 成果物と道具の分離。プロジェクト削除で記憶が消える事故を防ぐ(第3章) |
| 記憶はc--dev-claudeに一本化 | 起動フォルダごとに散らばる仕様への対策。設定1行(第4章) |
| バックアップ先を3系統に分ける | 記憶=claude-memory-backup/スキル=claude-skills-backup/事業の知識・制作物=各プロジェクトのリポジトリ。役割が違うものは箱も分ける |
| settings.jsonと.env/鍵は上げない | 鍵・認証情報はGitHubに絶対に置かない(Privateでも)。鍵の大元はBitwarden、実働は各.env(.gitignore済) |
| 教材・ナレッジは1ファイル=1トピック | 記憶フォルダと同じ型。索引・リンク・追記優先の運用がどこでも効く |
図4|索引の実物 — User/Reference/Feedback/Projectの4分類
図5|メモの実物 — 「何があったか+Why+How to apply」の型
第9章
「サーバーに鍵が行くのが気になる度」と「Bitwardenを使うか」は、実は別々の軸です。混ぜると混乱するので、APIキーの守りは3つの独立した問いに分けて考えます。
下のどれを選んでも必ずやる共通の土台。ここだけで実際の事故の大半(GitHub流出・画面への映り込み)を防げます。①gitに上げない(.gitignore)/②チャットに鍵を貼らない/③従量課金の鍵は使用上限・予算アラート/④画面録画・共有に映さない。
AIに見せた物はサーバーを通ります(第5章)。それをどう扱うか:
| ラク版(既定) | 厳しめ版 | |
|---|---|---|
| やること | AIが必要なら .env を読んでOK | denyで .env を封印+設定は config に分離。AIは鍵を一度も見ない |
| 鍵はサーバーに行く? | 通ることがある | 行かない |
| 向く人 | 一人・低リスクな鍵(無料枠等) | 撮影/配信する人・お金が動く鍵 |
| ローカル平文(.txt/メモ帳) | 暗号化金庫(Bitwarden無料〜/1Password) | |
|---|---|---|
| 中身 | 手軽 | 暗号化・クラウド同期でバックアップ兼用・共有/失効できる |
| 弱点 | 平文・PC故障で消える・共有/失効できない・属人化 | ほぼ無い |
問い1(見せる/見せない)と問い2(ローカル/金庫)は独立。掛け合わせの4象限:
| 保管=ローカル.txt | 保管=金庫 | |
|---|---|---|
| AIに見せる(ラク) | 手軽だが保管が脆い(低リスク鍵+問い0が前提なら可) | 手軽さ+バックアップ+脱属人。多くの人の現実解 |
| AIに見せない(deny) | 鍵は守れるが保管が脆く釣り合いが悪い | 最も堅い。撮影する人・お金が動く鍵・企業 |
第10章
第9章「問い1」の"厳しめ版"を、もう一段だけ詳しく。deny(ディナイ)は、AIに .env などの秘密ファイルを読ませないための、一番強い設定です。
| リスト | 意味 | 強さ |
|---|---|---|
| allow | 毎回聞かずに実行してよい | 弱 |
| (どちらにも無い) | その都度あなたに確認する | 中 |
| deny | 何があっても実行禁止 | 最強 |
denyの決定的な点:会話中に「OK」と言っても覆せない。手動承認より上位の、絶対的な壁です。
| 誰 | .envを読む場面 | denyの効果 |
|---|---|---|
| チャットのAI(=Claude) | 会話中にReadで中身を見る | 止まる(秘密がサーバーに行かない) |
| プログラム(node …) | 実行時にdotenvで.envを読む | 止まらない(別人なので) |
だから動画生成などの自動化はそのまま動く。止まるのは「AIが覗く」動作だけ。秘密でない設定は config に逃がしてあるので、AIも困りません。
denyは"全員が初日にやること"ではありません。「守るべき鍵を実際に扱い始めた段階」で導入します。最初から全員に課すと難しくて詰まるので、下の合図が出るまではラク版(AIが.envを読める)のまま学ぶのがコツ。
| 段階 | 状態 | denyは? |
|---|---|---|
| Day1〜学習中 | まだ本物の鍵を扱っていない/無料枠中心 | 不要(最低ラインだけでOK) |
| 合図が出たら | ①画面録画・配信 ②お金が動く鍵 ③お客様データ ④会社の規定 | 導入する |
事前準備(封印前に3点チェック)
設定はAIに頼むのが一番かんたん(コピペ可)
確認:AIに「うちの.envを読んでみて」と頼み、「ブロックされる/読めない」と返ればOK。反映されなければ Claude Code を再起動。
第11章
APIキーを金庫(Bitwarden等)に移すと「キーは金庫だけにある」と思いがちですが、正確には2か所にあります。ここを誤解すると、片方を消して自動化を壊します。
| 層 | 実体 | 役割 | 誰が読む |
|---|---|---|---|
| マスター | Bitwarden(暗号化金庫) | 大元・調べる場所・バックアップ | あなた(人間) |
| 実働コピー | 各プロジェクトの .env(KEY=値) | プログラムが実行時に読む | プログラム |
だから「渡し方」は今までと同じ.envに直書き。変わるのは調べる場所が .txt から Bitwarden になるだけ。新しい習慣は「新規/更新のとき、値をBitwardenからコピーして .env に貼る」1つだけです。
付録
付録
各章の"教える版"は、脱・属人プログラムのカリキュラム(datsuzokujin-program-curriculum リポジトリ・Private)の次のファイルにあります。このノートは自分の理解・思い出し用、下記は受講者に教える用という役割分担です。
| このノートの章 | 対応する教材ファイル |
|---|---|
| 第1〜2章 記憶の仕組み/手帳と作業ファイル | setup/claude-code/メモリとCLAUDEmdの違い.md |
| 第3〜4章 置き場の設計/記憶の一本化 | setup/claude-code/記憶がフォルダごとに分かれる仕組みと一本化.md |
| 第5〜6章 バックアップ/保存先の使い分け | setup/github/メモ・バックアップとして使う.md |
| 第7章 第二の脳を育てる(受講者課題) | curriculum/課題例_GitHubを第二の脳にする.md |
| 第9章 全体像(3つの軸) | setup/claude-code/APIキーの守り方_3つの軸.md |
| 第9章 問い1(AIに見せるか) | setup/claude-code/AIに見せた情報はどこへ行くか_envとAPIキー.md |
| 第9章 問い2・企業版(保管・共有金庫) | setup/claude-code/APIキーを会社の資産として管理する.md |
| 第10章 deny封印のしくみ | setup/claude-code/denyの設定手順_いつどう設定するか.md / 初期設定プロンプト.md / AIに見せた情報はどこへ行くか_envとAPIキー.md |
| 第11章 キーの通り道(マスター→.env→実行) | setup/claude-code/APIキーを会社の資産として管理する.md |
| 環境の初期設定(全体) | setup/claude-code/初期設定プロンプト.md |
※これらはローカルの c:\dev\claude\datsuzokujin-program-curriculum\ にあり、GitHub(Private)にも同期済み。上記はファイルの置き場を示すもので、Web上のクリック可能なリンクではありません(教材本体は各自のPC/リポジトリで開く)。