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脱・属人プログラム — 学習ノート

Google DriveとClaude Codeの連携ガイド

— どこまで読ませていい?を自分で判断する

Googleドライブのファイルを Claude Code(AIの作業ツール)に読ませて仕事をさせたい。でも「顧客情報は大丈夫?」「どのフォルダまで見せる?」——非エンジニアが結局どうすればいいかを自分で判断できるようにするための1本です。

2026.07.18 作成 / 仕様・条件は2026年7月時点(変わりやすいので契約前・設定前に公式で最新確認)

この話の結論(3つだけ)
  1. AIに読ませた中身は「クラウド」に届く
    ローカル(自分のPC)に置いても、AIが読んだ瞬間に外(Anthropicのサーバー)へ送られる。だから顧客情報は“そもそも読ませない”設計にする
  2. 読ませていい場所を「フォルダで分ける」
    Claudeが触れるのは決めた「作業フォルダ」だけにする。顧客情報はそのフォルダに入れない
  3. プランと設定で「学習に使われない」状態にしておく
    設定 → プライバシー →「AIモデルの改善にご協力ください」をオフにする(後述の確認手順へ)

CHAPTER 1

大前提:AIに渡した中身は「どこ」へ行く?

Claude Code はあなたのPCの中で動きます。でも、その頭脳(AI本体)はネットの向こう=Anthropic(アンソロピック/Claudeを作っている会社)のサーバーにあります。だから、AIに読ませた内容は、答えを作るためにそのサーバーへ送られて処理されるのが基本です。

道具の種類処理する場所中身は外に出る?
ブラウザ完結ツール
(例:画像形式の変換ツール)
あなたのPCの中だけ出ない(アップロードなし)
Claude Code
(AIに読ませる作業)
AI本体はネットの向こう読ませた内容はそこへ送られる
よくある誤解 — ここが一番大事「ローカルのフォルダに置いてAIに読ませれば、外に出ない」→ これは誤りです。ローカルに置いても、AIがそれを読んで回答した瞬間に、中身はクラウドへ送られます(AI本体があなたのPCではなくネットの向こうで動いているため)。ローカルにする利点は「渡す範囲を自分で選べる」ことであって、送り先が変わるわけではありません。
※唯一の例外は、PCの中だけで動く自前のAI(完全オフライン)を使うとき。Claudeはこれに当てはまりません。
たとえるなら:郵便と手元のメモ手元のノート(ローカル)に書いてあっても、それを封筒に入れて相談相手(AI)に送れば、中身は相手に届きます。ノートが自分の家にあること自体は、送った中身が相手に渡る事実を変えません。だから「送ってはいけないもの(顧客情報・パスワード)は、そもそも封筒に入れない」が正解です。

CHAPTER 2

学習に使われる? 保存される? — プランと設定で決まる

「クラウドに送られる」と、「AIの学習に使われる」「長く保存される」は別の話です。ここはあなたのプランと設定で変わります。

プランの種類学習に使われる?保存期間の目安
商用
(API/Team/Enterprise)
原則 使われない標準 約30日。
条件を満たせば「ゼロ保存(ZDR)」契約も可
消費者向け
(無料/Pro/Max)
初期設定のまま=使われる
設定オフ=使われない
学習オン=最長5年
学習オフ=約30日
全プラン共通の例外Anthropicの安全の仕組みが「問題あり」と判断した会話は、あなたの設定に関わらず、確認のため一定期間保存・利用されることがあります。だからこそ、そもそも危ないもの(顧客情報・機密)は送らないのが基本です。

自分の状態を確認する2ステップ

STEP 1プランを確認(設定 → 請求/アカウント)。
「Pro」「Max」「無料」=消費者向け/「Team」「Enterprise」=商用
STEP 2学習オフを確認(設定 → プライバシー →「AIモデルの改善にご協力ください」)。
ここをオフ(灰色)にすると、あなたのやり取りは学習に使われず、保存も短くなります。
数字は変わりやすい保存日数などの条件は改定されます(消費者向けの扱いは2025年8月末に変更されました)。厳密に扱うときは、必ず公式のプライバシー設定・契約で最新を確認してください。プランごとの詳しい選び方は教材「Claudeの契約とアカウントの選び方」へ。

CHAPTER 3

2つのつなぎ方 —「コネクタ」と「ローカル同期」

Claude/Claude Code に Googleドライブを読ませる道は、大きく2つ。仕組みが別物なので、ここを分けて理解します。

つなぎ方どういう仕組み読める範囲
コネクタ
(MCP=備え付け連携)
Googleでログインして1回つなぐと、以降は「これ読んで」で使える連携したアカウントが見えるドライブ“全体”。フォルダ単位には絞れない
ローカル同期
(Drive for Desktop)
ドライブのファイルをPCに同期し、Claude Codeがそのファイルを読むClaude Codeの「作業フォルダ」で絞れる(指定した場所だけ)
MCP(コネクタ)=壁の備え付け家電コネクタは「壁に設置済みの電子レンジ」のようなもの。1回つなげば、あとは頼むだけ。ただしそのアカウントで見えるドライブは丸ごと対象になります(詳しくは教材「コマンド地図」のMCPの項)。
コネクタの落とし穴標準のGoogleドライブ・コネクタは「そのアカウントが見えるドライブ全体」が対象で、「このフォルダだけ」には絞れません。だから、顧客情報がたくさん入ったアカウントをそのままつなぐのは危険。絞りたいなら、次章の①(専用アカウント)で“アカウント側”を絞るのが筋です。

CHAPTER 4

特定のフォルダだけ読ませる — 4つの方法と選び方

「決めたフォルダ以外は絶対に見せたくない」を叶える手立ては、主に4つ。確実さの順に並べます。

方法中身“他を見せない”確実さ
① Claude専用の
Googleアカウント
Claude用に別アカウントを用意し、そのフォルダだけを共有する。連携アカウントは他が見えないので物理的に絞れる◎ 一番堅い
② 手動でファイルだけ渡す読ませたいファイルを1つずつ人が選んで渡す(アップロード等)。自動では同期されない◎ 確実・シンプル
③ ローカル同期+
作業フォルダを限定
ドライブをPCに同期し、Claude Codeの作業フォルダをそのフォルダに限定する○ 手軽(指定ミスに注意)
④ 絞ったMCPサーバー公開するフォルダ・権限を自分で設計した連携を用意する○〜◎(技術者向け)

どれを選ぶ?(判断の早見)

顧客情報が絡む「絶対に他を見せたくない」→ ① 専用アカウント② 手動で渡す
自分だけ・手早く機密は元々入れない前提で軽く使う → ③ 作業フォルダを限定
技術者がいる連携そのものを設計して絞りたい → ④ 絞ったMCP
Driveの中で要約ドライブ内でAI(Gemini)に読ませたい → Driveの「プロジェクト」機能でフォルダを絞って渡す(最上位を丸ごとは精度が落ちる)
③を選ぶときの注意作業フォルダの指定を広く取りすぎると、他のフォルダも読めてしまいます。「顧客情報のフォルダを含まない、専用の作業フォルダ」を1つ決めて、そこだけを指定してください。標準コネクタ(全体が見える)とは違い、ここは自分で範囲を決められるのが利点であり、責任でもあります。

CHAPTER 5

顧客情報を扱う仕事の“鉄則”

どのつなぎ方・どの方法でも、読ませた中身はクラウドで処理される(CHAPTER 1)。だから、顧客情報を扱う会社の原則はシンプルです。

たとえ:金庫と掲示板秘密(顧客情報・鍵)=金庫。中身は見せず、必要なら「金庫の中の“あれ”を使って」と名前で指示する。ただの設定(モード・地域名など)=掲示板。これはAIに自由に見せてOK。この2つを分けておくと、安心して仕事をAIに任せられます。

CHAPTER 6

結局どうすればいい?(チェックリスト)

迷ったら、上から順にこれだけ確認すれば大丈夫です。

人に説明するときの3行(そのまま使える)

  1. Claudeが触れるフォルダを分け、顧客情報はそのフォルダに入れない運用にします。=AIに「見せる箱」と「見せない箱」を分ける、ということ。
  2. さらに固めるなら、Claude専用のGoogleアカウントに“作業フォルダだけ”共有します。=そのアカウントには他が見えないので、物理的にそこしか読めなくなる。
  3. 大前提として、AIに読ませた内容はクラウドで処理されるので、お客様情報は最初から読ませない設計にします。=ローカルに置いても送られる。だから“入れない”のが一番確実、という理由。

APPENDIX

用語ミニ辞典

コネクタ / MCPエム・シー・ピー
AIと外部サービス(ドライブ・Gmail等)を“備え付け”でつなぐ仕組み。1回ログインでつなげば、あとは頼むだけ。ただし「連携したアカウントが見える範囲」全体が対象。
ローカルlocal
あなたのPCの中、という意味。Google Drive for Desktop を入れると、ドライブのファイルがPC内に同期され、Claude Codeがそれを読める。
作業フォルダworking directory
Claude Codeが「許可なしで読み書きしていい」と決めた場所。ここを絞ると、AIが触れる範囲を限定できる。
ZDR(ゼロデータ保存)Zero Data Retention
商用契約で申請できる、応答後に内容をサーバーに残さない仕組み。消費者向けプラン(無料/Pro/Max)では使えない。
仮名化かめいか
氏名・住所などの「誰か分かる情報」を消す/別の記号に置き換えること。分析だけしたいときに、個人を特定できない形にして渡す。