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脱・属人プログラム — 料金早見表

AI導入の料金早見表

— どの会社が、何を、いくらで契約すべきか
Microsoft・Google・OpenAI・Anthropic・n8n を1枚に

「AIを入れたい」と言われたとき、いちばん困るのが結局いくらかかるのかです。しかも各社とも名前が似ていて、単体では買えないもの、定額に見えて使った分だけ増えるものが混ざっています。この1枚に、公式ページに載っている金額と、どの会社がどれを契約すべきかをまとめました。

2026.08.18 作成

先に結論(4つだけ)
  1. まず「今どこにデータがあるか」で選ぶ。金額はその次
    Microsoft 365の会社/Google Workspaceの会社/どちらも無い会社で、正解がまったく違う
  2. Google Workspaceの会社は、たいてい追加契約が要らない
    Gemini はすでにプランに含まれている。「AIを入れたい」への正解が「もう入っています」になる
  3. 定額で終わらないものが4つある
    Copilot Cowork/Copilot Studio/Claude Enterprise/n8n。「月額いくら?」だけ聞くと後から必ず増える
  4. Microsoftはセット版のほうが安いことがある。見積もりは必ず両方取る
    Business Standard を単品で組むと ¥4,572、セット版なら ¥3,523(公式表示ベース)

第1章

この表の読み方(3つの前提)

① 金額はすべて「税抜・1人あたり・月額」です。 年契約の欄は「1年分をまとめて契約したときの月額換算」で、実際の支払いは年1回のことが多い。月契約より1〜2割安い代わりに、途中で人数を減らせません

② ドル・ユーロ建てのものは為替で変わります。 日本円の公式価格が無いサービス(ChatGPT・Claude・n8n)はドル/ユーロのまま載せています。目安として1ドル150円と仮定した参考値を添えていますが、請求時のレートで変わります。

③ この分野の価格は動きます。 実際、下の表にもキャンペーン期限が入っています。提案書に載せる前に必ず公式ページで再確認してください。巻末に全URLを載せています。

CHUI 「1人あたり月3,000円くらいでしょ」で話を進めると、あとで倍になります。理由は3つ。(1)土台の契約が別に要る(2)使った分だけ増えるものが混ざっている(3)キャンペーン価格は初年度だけ。この3つを外さなければ、見積もりは大きくズレません。

第2章

Microsoft — 土台とCopilot

Microsoftは2階建てです。まず土台のMicrosoft 365があり、その上にCopilotを乗せます。Copilotだけを単体で買うことはできません。

土台:Microsoft 365(中小企業向け)

プラン年契約月契約中身
Business Basic¥899¥1,079Officeはブラウザ版のみ
Business Standard¥1,874¥2,249デスクトップ版Office込み。中小の標準
Business Premium¥3,298¥3,958Standard+セキュリティ・端末管理

いずれも最大300ユーザーまで。そして重要な点——この3つすべてに Copilot Chat が追加費用ゼロで含まれています。「AIを試したい」だけなら、ここで一度立ち止まってください。

上に乗せるCopilot

プラン年契約月契約前提・条件
Copilot Chat¥0¥0上の契約に含まれる。社内データの横断は標準では行わない
Copilot Business¥3,148
¥2,698
¥3,778中堅向け。割引は2026年9月30日申込まで・初年度のみ・年契約必須
Microsoft 365 Copilot¥4,497¥4,722大企業向け。300人超はこちら

セット版 — ここが一番の落とし穴

セット年契約月契約
Business Standard + Copilot Business¥3,523¥4,228
Business Premium + Copilot Business¥4,797¥5,756
TATOE Standardを単品で組むと ¥1,874 + ¥2,698 = ¥4,572。ところがセット版は ¥3,523。同じ中身で月1,000円ほど違います。10人なら年間12万円の差。見積もりは必ず「単品」と「セット」の両方を出させてください。販売店が単品でしか出してこないことがあります。

実行・自動化まで任せるもの

製品料金課金の形
Copilot Cowork固定月額なしMicrosoft 365 Copilotライセンスが必須+使った分だけ(Copilotクレジット)。管理者が従量課金を有効化する必要あり
Copilot Studio¥29,985/月25,000クレジット付きの容量パック(年払い)。または従量(1クレジット ≒ 0.01ドルが基準)
Power Automate Premium¥2,2481ユーザーあたり月額(年払い)
Power Automate Process¥22,4881ボットあたり月額。人が介在しない自動化用
Power Automate Hosted Process¥32,2331ボットあたり。仮想マシン込み
CHUI Power Automate は「使う人全員分」ではなく「作る人の分だけ」で足りることがほとんどです。ここを全社員分で見積もられるケースが多いので、「何人分が本当に必要ですか」と必ず聞き返してください。

第3章

Google・ChatGPT・Claude

Google Workspace(Geminiは追加料金なし)

プラン年間プランGemini備考
Business Starter¥800含まれる最大300ユーザー
Business Standard¥1,600含まれる対象アプリが増える
Business Plus¥2,500含まれる拡張アクセス
Gemini Enterprise(アドオン)¥3,400さらに上の枠が要る場合のみ

2025年以降、GoogleはGeminiを各プランに統合しました。Google Workspaceを使っている会社は、AIのために追加契約をする必要が基本的にありません。年間プランはフレキシブル(月ごと)より約16%安い一方、契約したライセンス数について1年分の支払い義務が発生します。

汎用チャット(ChatGPT・Claude)

プラン年契約月契約条件
ChatGPT Business$20$25最低2ユーザー
ChatGPT Business(Premium席)$100$125使用量の多い人向け
Claude Pro$17$20個人向け
Claude Max 5x$100月契約のみ。Proの約5倍の枠
Claude Max 20x$200月契約のみ。Proの約20倍の枠
Claude Team$20$25最低2名・最大150席。会社で使うならここ
Claude Team(Premium席)$100$125通常席と混ぜられる
Claude Enterprise$20+利用量最低20席・年契約

1ドル150円と仮定した参考値:ChatGPT Business 年契約 ≒ ¥3,000/Claude Team 年契約 ≒ ¥3,000/Claude Max 5x ≒ ¥15,000。実際の請求は為替で変わります。

CHUI Claude Team の最低人数は2名です(2026年8月18日に公式で再確認)。「5名から」という情報が出回ることがありますが、2〜4名の会社でも契約できます。ここを誤ると、小さな会社が不必要に個人契約のままになります。詳しくは Claudeの契約とアカウントの選び方 を参照してください。

第4章

自動化を「作る側」の料金

ここは考え方が違います。人数ではなく「どれだけ動かすか」で決まるものが多い領域です。

道具料金課金の形
Claude Code追加料金なしPro / Max / Team / Enterprise の契約枠に含まれる。APIキーで動かす場合のみ従量課金
n8n Community(自前)ソフト代 無料サーバー代・保守・更新は自己負担
n8n Cloud Starter€20/月年契約。月2,500回まで実行
n8n Cloud Pro€50/月年契約。月10,000回まで実行
n8n Business(自前サーバー)€667/月月40,000回。SSO等の企業向け機能つき
n8n スタートアップ割引€333/月従業員20人未満なら約半額(審査あり)

n8nは「ワークフローを何回動かしたか」で課金されます。処理の中の手順が何個あっても、1回動けば1実行です。

TATOE Claude Code の料金は「すでに払っているClaudeの契約に含まれている」——ここが分かりにくいところです。Claude Team($20)を契約している会社は、自動化を作る道具を追加費用ゼロで持っていることになります。「自動化ツールを別に買わなきゃ」と考える前に、まず今の契約で何ができるかを確認してください。
CHUI n8n の「自前なら無料」はソフトウェア代が無料という意味です。サーバー代・バックアップ・更新・止まったときの対応は残ります。また n8n は一般的な意味での自由なオープンソースではなく、利用条件のあるライセンス(Sustainable Use License)です。社内の基幹業務に据えるなら、条件を読んでからにしてください。

第5章

ケース別:どの会社が何を契約すべきか

金額表を眺めるより、自分がどのケースかを先に決めるほうが速いです。

ケース1|1〜5人。Microsoft未導入。仕事はGoogleと外部サービス中心

→ Claude Pro($20)だけでいい。会社契約は不要

Claude Code が契約枠に含まれるので、自動化の道具も追加費用ゼロで手に入ります。Copilotは検討対象にすらなりません——土台のMicrosoft 365契約から始める必要があり、割に合わないからです。使用量が足りなくなったら Max 5x($100)へ。

ケース2|5〜30人。Microsoft 365あり。資料がSharePointとTeamsに溜まっている

→ ①まず Copilot Chat(¥0)を全員に周知 → ②1部署だけ Copilot Business

いきなり全社配布はしないこと。30人全員に配ると年間およそ97万円(¥2,698×30人×12か月)。まず5人の部署で年16万円から始め、効く業務を1つ見つけてから広げます。契約時はセット版と単品の両方を見積もる(第2章)。

ケース3|5〜30人。Google Workspace を使っている

→ 追加契約は不要。Geminiはもう入っている

「AIを入れたい」と言われたときの正解は「もう入っているので、使い方を決めましょう」です。ここでCopilotを勧めると、Microsoft 365の契約から始まって二重投資になります。外部サービスをまたぐ自動化が必要になったときだけ、n8n か Claude Code を足します。

ケース4|申請・承認・通知を Microsoft の中で回したい

→ Power Automate Premium(¥2,248/ユーザー)。ただし作る人の分だけ

全社員分は要りません。仕組みを作る担当者の分だけ契約すれば動きます。人が介在しない処理を常時動かす場合のみ、Process(¥22,488/ボット)を検討します。

ケース5|LINE・Discord・スプレッドシート・自社サイトをまたぐ自動化

→ n8n(Cloud Starter €20 か自前サーバー)+ Claude Code

Microsoftの外に出るものは、Copilot側にいくら払っても届きません。従業員20人未満ならn8nのスタートアップ割引(€333/月)が使える可能性があります。詳しくは 定期実行の選び方

ケース6|社内問い合わせボット(就業規則・経費のルールなど)

→ Copilot Studio。ただし従量課金の見積もりが必須

定額(¥29,985で25,000クレジット)か従量かを先に決めること。使われるほど増える構造なので、上限を設定せずに全社公開しない。よく使われるほど請求が増える、という性質を経営層に先に伝えておいてください。

ケース7|300人超・大企業

→ Microsoft 365 Copilot(¥4,497)を部署限定で

Business版は300ユーザーまでなので使えません。全社配布は500人で年間およそ2,700万円。まず部署限定で始めるのが現実的です。

第6章

見積もりで外しやすい5つ

  1. 定額で終わらないものが4つある。Copilot Cowork(クレジット)/Copilot Studio(クレジット)/Claude Enterprise(席代+利用量)/n8n(実行回数)。「月額いくら?」だけ聞くと後から必ず増えます。
  2. Copilotは単体で買えない。土台のMicrosoft 365が必ず要ります。Google Workspaceの会社が「Copilotだけ試したい」は成立しません。
  3. セット版のほうが安いことがある。公式表示ベースで、Standardは単品¥4,572に対しセット¥3,523。必ず両方見積もる。
  4. キャンペーンには期限がある。Copilot Business の ¥2,698 は2026年9月30日申込まで・初年度のみ。2年目から ¥3,148 に戻るので、3年分で試算しておくこと。
  5. 年契約は途中で人数を減らせない。人の出入りがある会社は、月契約との差額(Copilot Businessなら月¥1,080)を「減らせる保険料」と考える判断もあります。

第7章

販売店に聞くべき質問リスト

公式ページを調べても載っていなかった項目があります。これはそのまま、見積もり依頼時の質問リストとして使えます。

TATOE この6つを最初のメールで送るだけで、相手の提案の質が変わります。「詳しい人が見ている」と伝わると、そもそも雑な見積もりが出てこなくなるからです。

第8章

用語ミニ辞典

アドオンadd-on
既にある契約に「追加」で付けるオプション。単体では契約できない。Copilotがこれ。
年契約/月契約
年契約は1〜2割安い代わりに1年分の支払い義務が発生し、途中で人数を減らせない。月契約は高いが増減が自由。
従量課金じゅうりょうかきん
使った分だけ払う方式。便利だが上限を決めないと請求が読めない。「よく使われるほど高くなる」ので、社内に案内する前に上限設定を。
クレジットcredit
回数券のような単位。まとめ買い(容量パック)と使った分だけ払う方式がある。CopilotもCopilot Studioもこの方式。
席/シートseat
1人分の利用権。「5席契約」=5人まで使える、の意味。
セルフホストself-host
提供元のサーバーではなく、自社で用意したサーバーで動かすこと。ソフト代は安くなるが、保守と障害対応が自社の仕事になる。
テナントtenant
会社ごとに割り当てられたクラウド上の区画。「1テナントあたり」=会社単位の料金という意味。
フレキシブルプランflexible
Google Workspaceの月ごと契約。実際の利用人数で請求される。年間プランより約16%高い。

まとめ

一言でいうと

金額表から入らないでください。先に決めるのは「今どこにデータがあるか」です。Microsoft 365の会社ならCopilot、Google Workspaceの会社なら追加契約なし、どちらも無い小さな会社ならClaude——ここが決まれば、選択肢は2つ3つに絞られます。

そのうえで外さないのは「定額で終わらないものが4つある」ことと、「キャンペーン価格は初年度だけ」の2点。この2つを3年分で試算しておけば、後から「話が違う」にはなりません。

そして最後に。いちばん高くつくのは、使われない契約を全社に配ることです。まず1部署、まず無料の枠から。効いた事実を1つ作ってから広げる——順番はどの製品でも同じです。