この話の結論(3つだけ)
- GitHubの非公開リポが「チームの共有の脳(ハブ)」になる
仕組みは今のまま。他のPCが参加するだけで、みんなが同じ会社ルールでAIを使える
- 知識は共有する・鍵は共有しない
CLAUDE.md/memory/skillsは共有。APIキーやログイン情報はPCごとにローカルで持つ
- 本線を触るのは「脳の管理人」1人/自動pushはハブ1台だけ
この線引きだけで、複数人でも衝突(コンフリクト)がほぼ起きない
CHAPTER 1
まず全体像 — 保険から「共有の脳」へ
一人で第二の脳を使うと、GitHubの役割は保険です(PCが壊れたら戻す)。これを会社・チームで使うと、同じ仕組みのまま「みんなの共有の脳(ハブ)」に格上げできます。GitHubはもともと大勢で1つの物を共有するための道具なので、作り直しはいりません。
| 一人PC(保険) | 複数PC・会社(共有の脳) |
| GitHubリポの役割 | 壊れたら戻すバックアップ | 全員の脳が集まるハブ(本体) |
| 各PCの動き | 主に「上げる」だけ | pull で受け取る/push で返す |
| 仕組みの変更 | — | なし(同じリポ・同じコマンド) |
| 変えるのは | — | 運用ルールだけ(この後の3つ) |
たとえ話
共有の脳は会社の“共有の本棚(クラウド)”。各自のPCは、その本棚から本を借りてくる(pull)/自分の書いた分を返す(push)だけ。全員が同じ本棚を見るので、「あの人だけが知っている」がなくなります。=これ自体が「脱・属人」。
GitHub 非公開リポ(共有の脳=ハブ)
↕ pull(借りる) / push(返す)
┌──────────┬──────────┬──────────┐
Aさんのpc Bさんのpc Cさんのpc … 全員が同じ脳を参照
FIG. 中央に共有リポ、各PCがpull/pushでつながる
CHAPTER 2
コツ① 知識は共有・鍵は共有しない(最重要)
共有の脳に鍵やログイン情報を絶対に入れないこと。1回の不用意な操作で全員に鍵が漏れるからです。一人運用よりも、会社運用のほうがこの事故は致命的になります。
| 共有する(リポに入れる) | 共有しない(各PCにローカルで残す) |
| 会社ルール(CLAUDE.mdの控え) | .env(APIキー) |
| 記憶(memory) | .credentials.json(ログイン情報) |
| 自作コマンド(skills) | settings.json(PC固有の許可リスト) |
- 全員が自分のPCで自分のClaude Codeにログインする(認証は一人ずつ・共有しない)。
.gitignore に .env *.key *.pem .credentials* *credentials*.json settings*.json を入れて自動で除外。
~/.claude 直下そのものをリポにしない(settings.jsonや.credentials.jsonが同居する“秘密の温床”。丸ごと上げると流出する)。リポにするのは memory\ と skills\ の中だけ。
git add . は使わない(秘密を巻き込む)。ファイルは個別指定。
ここが会社運用の分かれ目
一人なら鍵が漏れても自分の問題ですが、共有リポに鍵を入れるとチーム全員が同じ鍵を共有=1人のミスが全員の事故になります。だから「知識は共有・鍵はPCごと」を最初のルールにします。
CHAPTER 3
コツ② 「脳の管理人」を1人置く
複数人が同じファイルを同時に編集して両方pushすると、gitが「どっちが正解?」と衝突(コンフリクト)を出します。エンジニアには日常でも、非エンジニアには怖い。そこで役割を分けます。
- CLAUDE.md(会社ルール)・memory(共有ナレッジ)を整える主担当を1人置く=脳の管理人。
- 他のメンバーは基本 pull(読む・使う)中心。追加したいことは管理人に渡す/管理人が反映する。
- これで「みんなが好き勝手に本線を書き換える」混乱を防げます。
なぜ衝突しにくいか
memoryは「1ファイル1トピック」で貯まる設計なので、担当を分ければそもそも同じファイルを触りにくい=衝突しにくい。管理人制と相性が良いのはこのためです。
CHAPTER 4
コツ③ 自動pushはハブ1台/他はpull
2時間ごとの自動バックアップ(OSタスクスケジューラ)を全員のPCで回すと衝突の温床になります。
- 自動push=ハブ役の1台(管理人PC)だけにする。
- 他のメンバーのPCは「使う前に
git pull」の運用(最新の共有脳を取り込んでから作業)。
基本のリズム:
使う前に pull → 作業 → (管理人が)push
最新を取り込む いつも通り 共有の脳へ返す
FIG. 全員が守る1本のリズム
CHAPTER 5
衝突が出たら — 慌てない・予防が9割
- 出ても壊れません。gitが「ここが食い違っている」と教えてくれるだけ。
- 非エンジニアの対処:Claude Codeに「コンフリクトを解消して」と頼むか、管理人に渡す。
予防が9割
①使う前に pull ②担当を分ける(1ファイル1トピック) ③本線を触るのは管理人 —— この3つでほぼ起きません。衝突は「同時に同じ所を書いた」時だけ起こるので、そもそも重ならない運用にするのが正解。
CHAPTER 6
段階的に始める(pull専用から)
いきなり「全員が本線に自由にpush」は非エンジニアには難しい。pull専用から始めて、少しずつ書き手を増やすのが安全です。
- まず管理人1人が今の第二の脳をそのまま運用(一人PCと同じ)。
- 他メンバーは
git clone して pull 専用(読む・使うだけ)。ここまでで「全員が同じ会社ルールでAIを使える」が実現し、衝突ゼロ。
- 慣れてきたら担当を分けて一部メンバーもpush(1ファイル1トピックで衝突を避ける)。
一言まとめ
仕組みは今のままでチームに伸びる。変えるのは運用ルール3点=①秘密はPCごとに残す ②脳の管理人を1人置く ③自動pushはハブ1台(他はpull)。迷ったら「知識は共有・鍵は共有しない」「本線を触るのは管理人」。この2つだけ守れば事故りません。