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脱・属人プログラム — 学習ノート

Slackで誰でもAIを使う
「Claude Tag」

— 公式のSlack連携で、社内メンバーの参加ハードルを下げる

Claude Codeを契約していない社員でも、いつものSlackで「@Claude」と呼ぶだけでAIに仕事を頼める——Anthropic公式の機能「Claude Tag」の紹介。導入・費用・使い勝手と、以前の教材で扱った“自作の常駐エージェント”との違いまで、非エンジニア向けにまとめました。

2026.08.08 作成

この話の結論(3つだけ)
  1. Slackで「@Claude」と呼ぶだけ。メンバー側の個別インストールは不要
    管理者が1回セットアップすれば、あとは普段のSlackの延長でAIを使える
  2. ただし「Claude Team」か「Claude Enterprise」の契約が必須
    個人向けのFree/Pro/Maxプランでは使えない。契約の切り替えというハードルがある
  3. 「唯一の正解」ではなく選択肢の1つ
    まず公式のClaude Tagで試し、会社の知識を参照させたい等の要望が出たら自作の常駐エージェントを検討、の順番が現実的

CHAPTER 1

Claude Tagとは何か

Claude Tagは、Slackのチャンネルで「@Claude」とメンションするだけでAIにタスクを任せられる、Anthropic公式の機能です。2026年8月時点ではPublic Beta(正式リリース前の試験提供段階。使えるが仕様が変わる可能性がある状態)として提供されています。

いちばんの特徴は、メンバー側には準備がほぼいらないことです。管理者(会社側)が最初に1回セットアップすれば、あとは社員それぞれが今まで通りSlackを開いて話しかけるだけで使えます。個人でアプリを入れたり、アカウントを作ったりする手間がありません。

Slackチャンネルで @Claude とメンション ↓ 質問・指示を送る ↓ 進み具合がチェックリスト形式で表示される ↓ 完了するとスレッドに結果が投稿される

FIG. メンバーから見た基本の流れ

たとえ話 いつものSlackチャンネルに「AIが得意な同僚」を1人招待するようなイメージです。専用のアプリを覚える必要も、ログインし直す必要もなく、いつもの会話の延長で仕事を頼めます。

CHAPTER 2

導入方法(管理者がやること)

導入はすべて管理者(会社の代表・情シス担当など)が行います。メンバーが個別に何かをする必要はありません。

  1. アプリをインストール
    Anthropicの案内ページ(claude.com/claude-for-slack)から、会社のSlackワークスペースにアプリを追加する。
  2. Slackとペアリングする
    Slack上で「@Claude connect」とメンションし、表示されたペアリングコードでSlackワークスペースとClaudeのアカウントを結びつける。
  3. 管理画面で設定する
    claude.ai/admin-settings/claude-tag で、AIに触らせてよいツールの範囲や、月間の利用上限額などを設定して起動する。

難易度は中程度です。サーバーを立てたりプログラムを書いたりする必要はなく、画面の案内に沿って進められますが、管理画面の権限設定はある程度落ち着いて確認する必要があります。

CHAPTER 3

必要な契約プランと料金

プランClaude Tagは使える?
Free/Pro/Max(個人向け)使えない
Team使える
Enterprise使える

料金は使った分だけ払う従量課金です。管理者が月間の利用上限額を$500〜$5,000の範囲、または無制限で設定します。Teamプランはあらかじめ「クレジット」を購入しておく仕組みです。なお、社員が個人のDM(1対1のやり取り)でClaudeを使う分は、その人個人のアカウント扱いになり、会社の利用枠には含まれません(チャンネルでの共同作業分だけが会社の費用になります)。

ここが分かれ目 すでにClaude Codeを個人のPro/Maxプランで契約している会社がClaude Tagを使うには、Team/Enterpriseへの切り替え(契約変更)が必要になります。人数や使い方によっては費用の見え方が変わるため、導入前に人数分の見積もりを取るのがおすすめです。料金体系は2026年8月時点の情報で、変わりやすいため契約前に必ず公式サイトで最新を確認してください。

CHAPTER 4

メンバーから見た使い勝手

メンバーがやることは、普段のSlackの使い方とほとんど変わりません。

専用のツールを新しく覚える必要がないため、Claude Codeを触ったことがない社員でも、その日から使い始められるのが最大のメリットです。

CHAPTER 5

注意点

CHAPTER 6

自作の「常駐エージェント」との違い

教材「複数人・複数PCで第二の脳を運用するコツ」第8章では、Claude Codeを契約していない“ライト層”の社員が、VPS(自社で借りるサーバー)上に作った常駐エージェントbot経由でSlack/Discordから会社のAIに質問できる仕組みを紹介しました。Claude Tagは、それと似た目的(契約なしの社員がSlackでAIを使う)をAnthropicが公式に用意した形で実現するものです。どちらか一方が正解ではなく、目的によって向き不向きがあります。

Claude Tag(公式)自作の常駐エージェント(VPS)
導入の手間Slackアプリを追加して設定するだけVPSを借りてbotを構築する必要あり
必要な契約Claude Team/EnterpriseAPI契約(従量課金・会社持ち)+VPS代
会社の知識を参照させる設定できる範囲に限られる共有脳(社内ナレッジ)を参照させる等、自由に作り込める
向いている場面まず試したい/早く全社に配りたい会社独自の運用に合わせて作り込みたい
現実的な順番 いきなり自作から始めるより、まず公式のClaude Tagで「社員がSlackでAIを使う」を体験してみて、会社の知識を参照させたい・独自の権限管理をしたいといった要望が出てきた段階で、常駐エージェントの自作を検討する——という順番が無理がありません。

CHAPTER 7

まとめ

Claude Tagは、「社内メンバーが簡単にAIを使えるようにしたい」という悩みに対する、公式が用意した近道です。ただし、これだけで社内のAI活用が完成するわけではありません。Team/Enterpriseへの契約切り替えという判断が必要になる点、Public Betaで仕様が変わりうる点は正直に踏まえておいてください。

選択肢の1つとして 「これを入れれば全部解決」ではなく、数ある選択肢の1つとして捉えるのが実態に近いです。すでに常駐エージェントの構想がある場合は、無理に乗り換えず、まず試してみてから決めても遅くありません。

用語ミニ辞典

用語ミニ辞典

Public Betaパブリックベータ
正式リリースの前に、一般向けに試験的に公開している段階。使えるが、今後仕様が変わる可能性がある。
Zero Data Retention(ZDR)ゼロ・データ・リテンション
やり取りした内容をAI提供側のサーバーに保存しない、という契約上の設定。
Routinesルーティンズ
決まった条件やタイミングでAIの作業を自動的に走らせる仕組み。
クレジット
従量課金の元になる、あらかじめ購入しておく利用枠。